企業組合労協センター事業団 草津地域福祉事業所 みんなの家:地域の人に愛させるケアを目指して、高齢者デイサービス、児童デイサービス、訪問介護等をしています。
2013/11/11 UpDate
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「みんなの家」では
10月13日に、10周年記念イベントが開催される。模擬店が並び、2階ホールでの発表会が企画され、「ドレミ」に集まったご近所の有志が最後の練習に余念がない。当日発表予定の「琵琶湖周遊の歌」と「花は咲く」の2曲を半年にわたって練習してきた。
ドレミは、月1回、10時30分から1時間開かれるキーボードの演奏と歌唱指導付きの歌声喫茶。メインの2曲に入る前に、まずは発声慣らしで「富士の山」「高校3年生」「村祭り」と続き、リクエストに上がった「ああ上野駅」まで一挙に歌が進む。その間、“〜豊年満作で村は総出の大祭り〜”という歌詞から、話は「新米もう食べた?」に飛んで、稲刈りのノウハウにまで及ぶ盛り上がり方。単に歌って身体と心を元気にするだけでなく、歌詞に関連ある話題が次々に出てきて、コミュニケーションが心地よく弾みをつけて回っていく。
途中からはデイサービスの利用者が加わって、部屋は“満員御礼”状態。そして「琵琶湖周遊の歌」と「花は咲く」を丹念に歌い込み、10周年でのお披露目を待つばかりとなった。
田中紀代子所長は「地域福祉事業所は高齢者から小さいお子さんまですべての方を対象に、地域の困り事をケアすることを目指しています」と言う。その言葉通り、みんなの家が展開する事業範囲は広い。高齢者向けデイサービスと訪問介護、障がい者(児)向け居宅介護と放課後等デイサービス「児童デイサービスもも」の運営、児童育成クラブ「のびっこ」(笠縫・大路の2施設)と子育て支援「つどいの広場」の運営、親子参加の「きらきらサロン」のイベント開催、健康体操・歩こう会の開催……など。
その一つ、視覚障がい者カップルの保育・育児支援で草津市において“前例”をつくっているケースを紹介しよう。
南草津のマンションに住むYさんは夫婦とも視覚障がい者。3歳になったHくんの子育てに奮闘中だ。みんなの家の介護福祉士森田さんはHくんが0歳児のときからホームヘルプサービスで訪問。明るく前向きなYさんの日常も、Hくんの成長ぶりも見守ってきた。「みんなの家が火・木・土・日の4日、月・水が他の事業者が入っています。“Hちゃんプロジェクト”と名付けて、延べ10数人で担当。保育園の送迎や持ち物への名入れ、“育児日記”の代筆のほか、家事援助もおこなっています。靴下をペアで揃えたり、名入りのタオルをHくん用とご主人用に分けたり……」と言う森田さんの言葉を受けたYさん、「うっかり、右左別の靴下を履いて出かけたことがあります。細身のパパと太目の私のTシャツの大きさがほぼ同じ。どっちがどっちかHくんに聞くんですよ」と、笑いながら話してくれた。
何事にも積極的なYさんはフラダンスの教室に地域参加。ヘルパーの同行援護で通っている。かかわりが生まれていると思います」(田中所長)“良いかかわり”はまだある。滋賀県が開設する知的障がい者対象の3級ヘルパー講座を修了し、みんなの家に勤務して5年になるNさんの存在。発達障害のNさんならではのふんわりとした仕事ぶりが利用者に“良い感じ”で受け止められ、Nさんは利用者からいろいろ教えてもらう。田中所長曰く「良い感じの持ちつ持たれつ」。さらに「もも」の送迎にやって来る子どもたちの父母がNさんの働く姿に勇気をもらっているらしい。やりたいことを言っていけば、きっと形になる「もも」には小学1年生から高校3年生までの子どもたちがいるが、学年によって活動目標が違ってくる。「社会に向けての活動に重きを置く中高生の場所『第2もも』づくりに動いています。高齢者の宿泊機能とか小規模多機能も必要だと話し合っています。問題を出し合い、やりたいことを明確にしていけば、きっと形になる。これまでもそうなってきましたから、スタッフ、会員、総ぐるみで、『大きな目標』に向かって行きます」(田中所長)
高齢者だけに向き合っていたらわからなかったことも、子どもとのかかわりを持つことで、一直線につながっているのが見えてきた。子ども、子育て世代、定年を迎えた世代、高齢者、みんなが地域で一緒に暮らせるように、「みんなの家」はまだ、もっと、充実を追求している。料理は原則自力。「剥きにくい・切りにくい」とSOSが出たときだけヘルプする。森田さんも帰り際に刃物など危ないものを点検して置く位置を変える程度にして、あまり台所へは侵入しないのだそうだ。「支援があっての子育てだと思っています。たとえば散歩途中で『これ、なに?』と聞かれても私には見えない。ヘルパーさんの同行があれば答えてくれて、Hくんの好奇心が満たされるし、私も輪の中に入れる。これからもっと必要になりますね。当座は秋の衣替えを手伝ってもらわないと……(笑)」
取材で訪問した日は木曜日。デイサービスの利用者は要支援1と2の女性6名。体操や算数ドリル、カレンダーづくり、手づくりの対語カード合わせなどに興じて、愉快な時間を過ごす。
昼食は親類筋の「ふくろうの家」(栗東市)から配達され、利用者が配膳する。しかしこの日は歌声喫茶で歌っていたので、配膳はスタッフがおこない、食後の食器拭きのみ。おしゃべりしながら手際よく完了。
3時過ぎには「児童デイサービスもも」にやって来る子どもたちとの交流がある。「高齢者は障がいがあることを気にしないで、自分のお孫さんのように接してくださる。子どもたちも落ち着くようです。避難訓練を一緒にしたときなど、速く行動する子どもたちに負けまいとする高齢者がいたりして。なかなか良いかかわりが生まれていると思います」(田中所長)“良いかかわり”はまだある。滋賀県が開設する知的障がい者対象の3級ヘルパー講座を修了し、みんなの家に勤務して5年になるNさんの存在。発達障害のNさんならではのふんわりとした仕事ぶりが利用者に“良い感じ”で受け止められ、Nさんは利用者からいろいろ教えてもらう。田中所長曰く「良い感じの持ちつ持たれつ」。さらに「もも」の送迎にやって来る子どもたちの父母がNさんの働く姿に勇気をもらっているらしい。
「もも」には小学1年生から高校3年生までの子どもたちがいるが、学年によって活動目標が違ってくる。「社会に向けての活動に重きを置く中高生の場所『第2もも』づくりに動いています。高齢者の宿泊機能とか小規模多機能も必要だと話し合っています。問題を出し合い、やりたいことを明確にしていけば、きっと形になる。これまでもそうなってきましたから、スタッフ、会員、総ぐるみで、『大きな目標』に向かって行きます」(田中所長)
高齢者だけに向き合っていたらわからなかったことも、子どもとのかかわりを持つことで、一直線につながっているのが見えてきた。子ども、子育て世代、定年を迎えた世代、高齢者、みんなが地域で一緒に暮らせるように、「みんなの家」はまだ、もっと、充実を追求している。